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仏教の質問2021.09.22 更新

仏教の視点から見るコロナ禍

新型コロナウィルスでパンデミックとなり、各国で緊急警戒宣言が出されています。 しかしコロナウィルスよりずっとずっと重要かつ緊急の問題が「生死の一大事」「後生の一大事」です。 「当時このごろ、ことのほかに疫癘とてひと死去す。これさらに疫癘によりてはじめて死するにはあらず。生れはじめしよりして定まれる定業なり。さのみ深く驚くまじきことなり」 ここで蓮如上人が「疫癘」といわれているのは、疫病のことです。 応仁の乱で京の町が焼け野原になり、飢饉、疫病が大流行した延徳4年6月に、その京都に住まいしておられた蓮如上人が書かれたお手紙の一節です。 この年の7月、疫病を理由に元号が明応に改元されているので、よほどひどい疫病の流行だったと想像できます。 しかもその頃の疫病といえば、そもそもウィルスが原因とも分かっていなかった時代で、薬も治療法もなく、感染しないための対策もわからず、加えて当時の疫病は天然痘とかペストとかコレラとか、今のコロナとは比較にならないものすごい致死率で、流行すれば5人家族の2人が死ぬ、といった有様だったのですから、今のコロナでみなが感じている不安よりずっと深刻だったと思います。 多くの人は「大変だ、大変だ」と、家に閉じこもって恐れおののいていたことでしょう。 その大騒動のさなかに、蓮如上人は「さのみ深く驚くまじきことなり」“そんなに深く驚くな”と書かれているのですから強烈です。 なぜ蓮如上人はこのように言われたのか、それはもっと驚かなければならない後生の一大事があるからでした。 後生の一大事とは何か、しっかり理解していただきたいと思い、話しました。


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